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2020.02.09 届かない快感
目の前に欲しいものがある。手を伸ばせば届く距離にある。だけれども、その手は動かせない。
だから、身を委ねるしかない。与えられる誘惑や、十分ではなくて渇望してしまうような、苦痛にも似た幸せを受け入れるしかない。

そんな状況を、あなたの「欲しいもの」を思い浮かべて、想像してみて。それぞれによって欲しいものは違う。
あなたの崇拝する、その人の存在そのものでも良い。

誘惑して、焦らした時の、請うような瞳が好きだ。言葉で直接請う者もいるし、願うこともすべきではないと耐えながら見つめる者もいる。

でも、その時間は、とてつもなく甘いはず。焦がれる時間の切なさも好きなはず。欲して仕方がない時に与えられる、ちょっとの恵みに身体は震えるはずだよ。

全部与えられた時にどれ程満たされるだろうか。
でもそれを、今はあげないかもしれない。安心しない方が、もっとお前は焦がれられるから。

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