2ntブログ
2012.03.28 「好きです」
射精をする瞬間に
「好きです」
と言う人が多い。

その時の様子は、蕩けて焦点が合っていない。
好きです
が精液と一緒に吐き出される。
それはとても気持ちが良さそうで、きっと私のものとなって一体感を感じているんじゃないかなぁ。

なんだかいたいけな存在に見えてくる。

「好き」
という言葉は気持ちの良くなる、パスワードのようだ。
誰かを欲して、好きと焦がれるのは、気持ちがいいことなんだね。
私はそれを浴びる時に、手のひらの上に乗せているような感覚になる。

好きという言葉に、私はただ頷くことしかしない。
知っているよ、うんうん
といった具合に。
快感に溺れていくのを見届けようと、心強く思ったりする。

視界が狭くなって、ぼやけながらも手を伸ばして、沼に嵌るように快感に塗れて溺れる。
息継ぎができないで、必死に声を漏らして「好き」
好きという言葉は楽にもなれるらしい。
息を吸う為には吐かなくてはならないから、そうして吐いているみたいだ。

そうして吐き出された好きの固まりは、わずかだ。
でも、それを吐き出さないと苦しいみたい。

閉じこもってしまうから。
閉じこもると密度が上がって自家中毒になっちゃうのね。

私の前で吐き出したらいい。
その息は私を濡らすのだから。