2012.10.31
嫌いになりたい
こわい……けど好きです
と言ってたはずが
「だめー!許して、ああ、もう無理ああだめー!」
と叫びだした。
ピタっと止まって、私は威圧した。
だめ?だめって私に言ってもいい言葉なの?
パニックに陥りながら、彼は、何度も噛んで吃りながら、ごめんなさい、と私の顔を恐ろしそうに見上げた。
「ルイ子様のことこんなに好きなのに、恐くて、忘れちゃう瞬間があった」
と彼は言ったから
私は意地悪な気分になった。
「そう、好きなこと、もう思い出した?」
そう言って、私は再び思いきり振りかぶり打ち据えた。
「どう?これでも忘れてない?」
何度もそう聞きながら打つと、「もう忘れません忘れません」と叫び続けた。
と思ったら
ハッとして私を見上げた。
「違いました。気づきました。僕、ルイ子様を好きなのを忘れたんじゃなくて、嫌いになりたい、と思ってたみたいです。」
ふぅん
私は再び、意地悪な気持ちになった。
それなら、私を嫌いになる手伝いをしてあげる。
「ほら、どう嫌いになる?こんなに酷いことされて、嫌いになるんじゃないの?」
「あああ、なりません」
「困ったね、どんなに酷いことしたら嫌いなるのかしら。ほら、これならなる?なるんじゃない、嫌いになりたいんでしょ。」
責め続けると彼は叫んだ。
「嫌いになれないから困るんじゃないですか!!」
怒った!
私は面白くて、ゲラゲラと笑いだしてしまった。
その傍らで彼はしくしく泣いている。
「あー!泣いてるー!泣いてる泣いてる」
「泣いてません!僕、年に一回しか泣かないと決めたんです。」
顔を埋めて、私に顔を見せようとしない。鼻をかもうとするのを覗き込むとやはり泣いてる。
「泣いてるじゃん、やーい」
「泣いてません!!」
また怒った!
私は笑い続けてしまう。
「あー可笑しい、ゲラゲラ」
「何がそんなに可笑しいんです?」
怪訝そう。
「だって、怒ってたから。嫌いになれないから困るんです!!って」
彼はまたハッとした。
泣き止んだと思ったら、今度は照れだした。
「あぁ、僕のくせにルイ子様に怒ってました、恥ずかしい」
照れてる姿に私はまた可笑しかったのだ。
と言ってたはずが
「だめー!許して、ああ、もう無理ああだめー!」
と叫びだした。
ピタっと止まって、私は威圧した。
だめ?だめって私に言ってもいい言葉なの?
パニックに陥りながら、彼は、何度も噛んで吃りながら、ごめんなさい、と私の顔を恐ろしそうに見上げた。
「ルイ子様のことこんなに好きなのに、恐くて、忘れちゃう瞬間があった」
と彼は言ったから
私は意地悪な気分になった。
「そう、好きなこと、もう思い出した?」
そう言って、私は再び思いきり振りかぶり打ち据えた。
「どう?これでも忘れてない?」
何度もそう聞きながら打つと、「もう忘れません忘れません」と叫び続けた。
と思ったら
ハッとして私を見上げた。
「違いました。気づきました。僕、ルイ子様を好きなのを忘れたんじゃなくて、嫌いになりたい、と思ってたみたいです。」
ふぅん
私は再び、意地悪な気持ちになった。
それなら、私を嫌いになる手伝いをしてあげる。
「ほら、どう嫌いになる?こんなに酷いことされて、嫌いになるんじゃないの?」
「あああ、なりません」
「困ったね、どんなに酷いことしたら嫌いなるのかしら。ほら、これならなる?なるんじゃない、嫌いになりたいんでしょ。」
責め続けると彼は叫んだ。
「嫌いになれないから困るんじゃないですか!!」
怒った!
私は面白くて、ゲラゲラと笑いだしてしまった。
その傍らで彼はしくしく泣いている。
「あー!泣いてるー!泣いてる泣いてる」
「泣いてません!僕、年に一回しか泣かないと決めたんです。」
顔を埋めて、私に顔を見せようとしない。鼻をかもうとするのを覗き込むとやはり泣いてる。
「泣いてるじゃん、やーい」
「泣いてません!!」
また怒った!
私は笑い続けてしまう。
「あー可笑しい、ゲラゲラ」
「何がそんなに可笑しいんです?」
怪訝そう。
「だって、怒ってたから。嫌いになれないから困るんです!!って」
彼はまたハッとした。
泣き止んだと思ったら、今度は照れだした。
「あぁ、僕のくせにルイ子様に怒ってました、恥ずかしい」
照れてる姿に私はまた可笑しかったのだ。