2020.07.26
哀願の瞳
マゾには欲しいものが、それぞれある。
フェチ性もあるし、してもらいたいこともある。
それを目の前に翳して、欲しいのか?と聞いた時の哀願の瞳が私は好きだ。想いが抑え切れず、嗚呼と小さく声が漏れ出て、陶酔した瞳で下から私を窺い見てくる。
それから出てくる、欲しいです、の声色。
その表情を見続けたいし、もっと色濃くしたいので、私はすぐには与えないで焦らしてみる。そうすると切ない声が漏れる。
ちゃんと待てができるかな?
動くなと指示をして、もっと近付けると、それはご馳走を前にした犬のように、必死に堪えているのが伝わってくる。身体がそわそわと揺れ出す。
もう少し待たせたい。立場を教え込んで、尊厳も更に奪いたい。
こんなものが欲しいんだね?
そんなに必死になるほど、こんなものが欲しいなんて。人としての尊厳はないの?
辱められて、興奮が増している様を詰ると、更にまた興奮してしまって、尊厳は再び失われる。ループする。
欲しいのか、ともう一度聞くと、先ほどよりも切実な哀願が聞ける。辱めと恥を感じる表情も見られる。
それでも欲しいんだもんね。
もう一押し、辱めと、意識の確認。
そうして与えた時の、蕩ける瞳も、溺れる姿も良い。