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2010.05.30
ある日の1コマ
赤い床に、赤いライト。
「東京タワーが見えたら、アルファイン」こと「都内唯一の非会員制SMホテル」ことアルファインの一室。
鞭を何回打ったかわからない身体を転がすと、その顔は抜けに抜けきっていた。
手探りで私の身体に抱き付くその抜けた顔を見ていたら、ちょっかい出さずにいられなくなった。
ぐいっと頬を抓ると、初めて、キチンと意志をもって言葉を発した。
「嫌!トマト嫌!」
え?
思わず、笑いが漏れてしまう。
トマトは私の嫌いな食べ物だけれど、彼にとったら好きな食べ物だ。
「なんで?トマト?」
「わかんない。トマトが浮かんだの!」
さながら、寝言に話しかけている気分である。
面白くて、更に頬を強くつねりあげる。
「痛い!トマト嫌!」。
つついたり、撫でたりしながらしばらく様子を見ていると
「どこ。ここは…アルファインだ。忘れてた。」
と彼は言った。
もう話ができるだろう。
「なんで、トマトって言ったの?」
「わかんない…」
「トマト嫌いじゃないでしょ。」
「トマトが浮かんだの。…多分、赤いから。」
床もライトも赤い。
だけど、なんでつねってトマト?私の嫌いなトマト?
憎しみが溢れていたはずはない。
「トマト嫌い。ご主人様トマト嫌い。だから僕も嫌い。食べない。」
嘘だ。
だってトマト好きじゃないか。
全然、意味わかんないんだけど、可愛いなぁと思って撫でて、つねって、また撫でた。
「東京タワーが見えたら、アルファイン」こと「都内唯一の非会員制SMホテル」ことアルファインの一室。
鞭を何回打ったかわからない身体を転がすと、その顔は抜けに抜けきっていた。
手探りで私の身体に抱き付くその抜けた顔を見ていたら、ちょっかい出さずにいられなくなった。
ぐいっと頬を抓ると、初めて、キチンと意志をもって言葉を発した。
「嫌!トマト嫌!」
え?
思わず、笑いが漏れてしまう。
トマトは私の嫌いな食べ物だけれど、彼にとったら好きな食べ物だ。
「なんで?トマト?」
「わかんない。トマトが浮かんだの!」
さながら、寝言に話しかけている気分である。
面白くて、更に頬を強くつねりあげる。
「痛い!トマト嫌!」。
つついたり、撫でたりしながらしばらく様子を見ていると
「どこ。ここは…アルファインだ。忘れてた。」
と彼は言った。
もう話ができるだろう。
「なんで、トマトって言ったの?」
「わかんない…」
「トマト嫌いじゃないでしょ。」
「トマトが浮かんだの。…多分、赤いから。」
床もライトも赤い。
だけど、なんでつねってトマト?私の嫌いなトマト?
憎しみが溢れていたはずはない。
「トマト嫌い。ご主人様トマト嫌い。だから僕も嫌い。食べない。」
嘘だ。
だってトマト好きじゃないか。
全然、意味わかんないんだけど、可愛いなぁと思って撫でて、つねって、また撫でた。
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