2020.05.03
私が与えたいねじれた全て
私を見上げ、切実な表情で男は訴えた。
「あの日から頭と身体からルイ子様のことが離れなくて、本当に苦しんです。こんなに苦しいものなんですか?この苦しみはいつまで続くんですか?」
「暫くは続くよ。でもこれがお前の求めていたことでしょう?」
と私は答えた。
ラシオラに入会した日の彼は、本当の意味で追い詰められたい、今日プレイをして自分の理想の世界が体験できなかったら、叶った理想の世界に陶酔できなかったならば、SMに希望を持つのは諦める、といった内容を控えめに言った。
その時の彼も切実で、そして私のブログを熟読した上での、彼の訴えるファンタジーは私を鼓舞させた。腕まくりをしていたかもしれないし、バレないように舌なめずりをしていたかもしれない。でもきっと表面上は微笑んで頷いていたと思う。
シャワーへ行くように指示を出して、立ち上がった彼に
「本当に追い詰めるけど、ちょっとの抵抗じゃ私やめないと思うから、本当に止めて欲しい時は私にわかるように抵抗してね。」
と念を押した。
そして、一人になって、声を出して少し笑ったかと思う。後悔しないかな?でも後悔する程の時間を欲してることはわかってるから。ちゃんと追い詰めてあげる。
マゾヒスティックなファンタジーが叶わないのは不幸せかもしれないけれど、叶ったら幸せとは言い切れない。幸せと取るのか不幸せと取るのか。だってマゾヒスティックな欲望は、苦しみや切なさや寂しさや痛みが内包されているから。
勿論SMクラブに来る人の全員がそんな欲望を持っているとは思わない。苦しみを求めている人間が、苦しみを得られないのと、苦しみを得られるのはどちらが幸せ?という話だ。私は苦しみの中の快楽を、その両方をたっぷり味合わせたいし、経験させたい。
それは私の欲望が出した答えだ。幸か不幸かは人と場合と見方によるから考えるのはやめることにした。最初から考えた選択なんてしていないんだけど。
目の前の、切実に絶望の瞬間を与えられることを求めている男に、私は絶望と、絶望による快楽を与えたいし、それに満足させたいし、その上で苦しんで欲しいし、それでも被虐に陶酔して欲しい。
「あの日から頭と身体からルイ子様のことが離れなくて、本当に苦しんです。こんなに苦しいものなんですか?この苦しみはいつまで続くんですか?」
「暫くは続くよ。でもこれがお前の求めていたことでしょう?」
と私は答えた。
ラシオラに入会した日の彼は、本当の意味で追い詰められたい、今日プレイをして自分の理想の世界が体験できなかったら、叶った理想の世界に陶酔できなかったならば、SMに希望を持つのは諦める、といった内容を控えめに言った。
その時の彼も切実で、そして私のブログを熟読した上での、彼の訴えるファンタジーは私を鼓舞させた。腕まくりをしていたかもしれないし、バレないように舌なめずりをしていたかもしれない。でもきっと表面上は微笑んで頷いていたと思う。
シャワーへ行くように指示を出して、立ち上がった彼に
「本当に追い詰めるけど、ちょっとの抵抗じゃ私やめないと思うから、本当に止めて欲しい時は私にわかるように抵抗してね。」
と念を押した。
そして、一人になって、声を出して少し笑ったかと思う。後悔しないかな?でも後悔する程の時間を欲してることはわかってるから。ちゃんと追い詰めてあげる。
マゾヒスティックなファンタジーが叶わないのは不幸せかもしれないけれど、叶ったら幸せとは言い切れない。幸せと取るのか不幸せと取るのか。だってマゾヒスティックな欲望は、苦しみや切なさや寂しさや痛みが内包されているから。
勿論SMクラブに来る人の全員がそんな欲望を持っているとは思わない。苦しみを求めている人間が、苦しみを得られないのと、苦しみを得られるのはどちらが幸せ?という話だ。私は苦しみの中の快楽を、その両方をたっぷり味合わせたいし、経験させたい。
それは私の欲望が出した答えだ。幸か不幸かは人と場合と見方によるから考えるのはやめることにした。最初から考えた選択なんてしていないんだけど。
目の前の、切実に絶望の瞬間を与えられることを求めている男に、私は絶望と、絶望による快楽を与えたいし、それに満足させたいし、その上で苦しんで欲しいし、それでも被虐に陶酔して欲しい。
2020.04.13
交わる目線と交わらない目線
マゾを追い詰めつつ、語りかけたり、問いかけている時に目が全く合わない時がある。そんな時の私は大体酷いことを優しく言っている。覗き込んだり、髪を掴んでこちらを向かせても目は逸らされる。
こっちを見て、と命令すると怯えた目で窺い見る。目が合ってから、語りかけると拒否ができないことを私は知っている。マゾも知っているから見ないのだろう。
そんな時の怯えた目が好きだ。
私の前で所在無げに、無防備に佇むマゾに近付いて行って触れた時、息を飲みながらも、私の目を見られない姿を確認するのも好きだ。私から目線を合わせてもすぐに逸らされる。鼓動が速くなっているのがこちらにも伝わってくる。私は自由に身体に触れられる。それを受け入れている姿を見ながら笑みが溢れてしまう。
私の足元に迷わずやって来て、覚悟を決めたように真っ直ぐ目を見て挨拶を始めるマゾもいる。緊張と期待と不安を纏めて、振り切って宣言される。
必死に目を見開いて私の与える全てに従おうとしている姿も好きだ。一言も聞き逃さないように、見逃さないように。
これから私が与える、痛みや快楽や苦しみの前で、どんな気持ちで、どんな表情をしているのかを見るのが好きなのだと思う。何度目かのプレイなら今までの記憶が蘇るだろうし、初めてでもプレイの最中ならどんなことが待ち受けているのか想像できることもある。
敢えて、想像させた上で、想定させた上で、受け入れさせてからスタートするのも私は好きだ。責めが始まる前の時間と瞬間。マゾがどんな気持ちでいるのかを感じ取りたい。色んな表情の目からそれを感じる。
裏シオラでもお知らせしましたが、22日(水)までお休みします。23(木)以降のシフトは木曜日と土曜日。日曜日から土曜日に変わります。前日までのご予約の受付です。
詳細は裏シオラからどうぞ。
https://lasioraroom.blog.fc2.com/blog-entry-3778.html
心身共に健康に過ごそうね。
こっちを見て、と命令すると怯えた目で窺い見る。目が合ってから、語りかけると拒否ができないことを私は知っている。マゾも知っているから見ないのだろう。
そんな時の怯えた目が好きだ。
私の前で所在無げに、無防備に佇むマゾに近付いて行って触れた時、息を飲みながらも、私の目を見られない姿を確認するのも好きだ。私から目線を合わせてもすぐに逸らされる。鼓動が速くなっているのがこちらにも伝わってくる。私は自由に身体に触れられる。それを受け入れている姿を見ながら笑みが溢れてしまう。
私の足元に迷わずやって来て、覚悟を決めたように真っ直ぐ目を見て挨拶を始めるマゾもいる。緊張と期待と不安を纏めて、振り切って宣言される。
必死に目を見開いて私の与える全てに従おうとしている姿も好きだ。一言も聞き逃さないように、見逃さないように。
これから私が与える、痛みや快楽や苦しみの前で、どんな気持ちで、どんな表情をしているのかを見るのが好きなのだと思う。何度目かのプレイなら今までの記憶が蘇るだろうし、初めてでもプレイの最中ならどんなことが待ち受けているのか想像できることもある。
敢えて、想像させた上で、想定させた上で、受け入れさせてからスタートするのも私は好きだ。責めが始まる前の時間と瞬間。マゾがどんな気持ちでいるのかを感じ取りたい。色んな表情の目からそれを感じる。
裏シオラでもお知らせしましたが、22日(水)までお休みします。23(木)以降のシフトは木曜日と土曜日。日曜日から土曜日に変わります。前日までのご予約の受付です。
詳細は裏シオラからどうぞ。
https://lasioraroom.blog.fc2.com/blog-entry-3778.html
心身共に健康に過ごそうね。
2020.03.25
真っ直ぐ突き刺さる言葉
プレイ中に発するマゾの言葉は私を深く突き刺す。「突き刺す」という言葉が相応しい。グサーッと刺さるので、まるで攻撃されたかのような後味が残る。突然発せられたそれらの小さな言葉は凶器だ。プレイが終わった後にもそれは心に刺さったままなので、私は思い返さざるを得ない。
どうして凶器となり得るかというと、真実味があるからだ。肉体と精神が刺激に塗れて制御不能だったり、刺激の余韻の中言葉を取り繕う素ぶりが微塵もない中発せられるからだ。
不意打ちに私の感情はぐらりと揺さぶられる。
苦痛の真っ最中にマゾが「出勤減らすのですよね。」と口を開いた。私は突然の会話の始まりに驚きながらも、「うん。でも辞めないよ。」と言った。喘ぎを堪えながら、間を作り出して、そのマゾは頷いて、うん、と言った後に
「辞めないでくださいね」と絞り出すように言った。グサーッ。
シンプルな短いその言葉に私の心は貫かれた。反射的に目の周辺に鈍い熱が湧き上る。私はそれを振り払うように、「うん。辞めないよ。」と繰り返した。そうしてまた苦痛を与え始めると、マゾは言葉を紡げなくなった。
真っ直ぐなマゾの言葉で私の感情は揺れ落ちそうになる。普段なら平常に受け止められる言葉なのに。
プレイが終わった後にも、深く刺さった言葉は抜けない。痛みが止まらない。そして私はこの痛みが愛しい。
どうして凶器となり得るかというと、真実味があるからだ。肉体と精神が刺激に塗れて制御不能だったり、刺激の余韻の中言葉を取り繕う素ぶりが微塵もない中発せられるからだ。
不意打ちに私の感情はぐらりと揺さぶられる。
苦痛の真っ最中にマゾが「出勤減らすのですよね。」と口を開いた。私は突然の会話の始まりに驚きながらも、「うん。でも辞めないよ。」と言った。喘ぎを堪えながら、間を作り出して、そのマゾは頷いて、うん、と言った後に
「辞めないでくださいね」と絞り出すように言った。グサーッ。
シンプルな短いその言葉に私の心は貫かれた。反射的に目の周辺に鈍い熱が湧き上る。私はそれを振り払うように、「うん。辞めないよ。」と繰り返した。そうしてまた苦痛を与え始めると、マゾは言葉を紡げなくなった。
真っ直ぐなマゾの言葉で私の感情は揺れ落ちそうになる。普段なら平常に受け止められる言葉なのに。
プレイが終わった後にも、深く刺さった言葉は抜けない。痛みが止まらない。そして私はこの痛みが愛しい。
2020.03.21
ハードプレイについてのコラム
リレーコラムが更新されました。こちらからチェックしてね。https://lasiora.org/ja/
今回のテーマ「あなたにとってのハードプレイとはどういうプレイ?」。書き出すまでに時間がかかりました。
女王様やマゾとの会話で何気なく使っている「ハード」という言葉。でもハードってどういう定義で使っているんだろう?と考えると迷宮入りして、整理をつけるのに苦労しました。
リレーコラムを書いた時、ちょうどケインプレイを連続でしていたので、例に使いましたが、肉体的痛みが一切ない時、寧ろ快楽を与えている時に、精神がとても辛い場面もあります。そんな時にも「ハード」という言葉を使っています。
精神的なハードプレイは本当にハードになり得ますよね。際限がないから。
マゾにとっての、今まで体験したハードプレイが何か?も聞きたいな。
お知らせしていましたが、4月からのシフトは木曜日と日曜日になります。
今月いっぱいは水曜日、木曜日、日曜日です。
先週はなんだかサドスイッチが入って止まらなくなって、興奮した週でした。
2020.03.08
エクスタシーについて
先日高校時代からの友達とバーで飲んでいる時に、好みの美味しいお酒に出会うとエクスタシーみたいな快感が走らない?と聞いたら否定された。バーテンダーさんに聞いても否定された。因みに音楽でもそれが起きないか聞いたけれど、当然のように否定された。
その流れから、私がSMをしている時の快楽の感じ方を説明したら、だからそんなにSMに固執しているんだね、と納得された。その友達は高校自体からずっと私を見ていて、SMを始めたい、始めた、プロになる、こんなマゾと会った… と多くの話を長い間聞いてくれている。
SMをしている時、考えている時、直接肉体に触れないのに性的快感が身体を走る。 最初に下半身にズンとだったりジワリとだったりして快楽が響く。響きの重さに比例して、身体へ痺れのような快楽が走る。 重い響きの時には指先まで痺れる。その響きが重なって訪れる時もある。
プレイの時間をマゾと経過して、リンクして進んでいくとある段階ではふわーっと漂うような感覚に陥る。別世界へ一緒にいった感覚。
エクスタシーの語源はギリシャ語で、魂が自らの肉体の外へ出て宙をさまようといった意味が込められている。宗教的には「魂が肉体から離れたエクスタシー状態において、神仏などの霊的存在と直接接触したり交流する」とされる例が世界各地に見られるそう。
SM中そんな風に、宙で魂同士が交流しているように感じる時がある。
先日、経験の少ないマゾとプレイしている時、彼を別世界へ連れて行けたと感じた。プレイの終わりに話しかけると「水の中へどんどん沈んでいくように周りの音が聞こえなくなって、どんな反応をしたらいいか?と考えていた思考も消えていって、声が直接心に入ってくる感じがした」と言っていた。
お互いがエクスタシーを感じている時は、そこがどこであっても、こここそが世界だと感じる。世界に2人しかいない。完全なる支配下でコントロール下にいるマゾを前にして何でもできるような万能感にも襲われる。穏やかな浮遊感。
そんな快楽を感じられる時がある。
その流れから、私がSMをしている時の快楽の感じ方を説明したら、だからそんなにSMに固執しているんだね、と納得された。その友達は高校自体からずっと私を見ていて、SMを始めたい、始めた、プロになる、こんなマゾと会った… と多くの話を長い間聞いてくれている。
SMをしている時、考えている時、直接肉体に触れないのに性的快感が身体を走る。 最初に下半身にズンとだったりジワリとだったりして快楽が響く。響きの重さに比例して、身体へ痺れのような快楽が走る。 重い響きの時には指先まで痺れる。その響きが重なって訪れる時もある。
プレイの時間をマゾと経過して、リンクして進んでいくとある段階ではふわーっと漂うような感覚に陥る。別世界へ一緒にいった感覚。
エクスタシーの語源はギリシャ語で、魂が自らの肉体の外へ出て宙をさまようといった意味が込められている。宗教的には「魂が肉体から離れたエクスタシー状態において、神仏などの霊的存在と直接接触したり交流する」とされる例が世界各地に見られるそう。
SM中そんな風に、宙で魂同士が交流しているように感じる時がある。
先日、経験の少ないマゾとプレイしている時、彼を別世界へ連れて行けたと感じた。プレイの終わりに話しかけると「水の中へどんどん沈んでいくように周りの音が聞こえなくなって、どんな反応をしたらいいか?と考えていた思考も消えていって、声が直接心に入ってくる感じがした」と言っていた。
お互いがエクスタシーを感じている時は、そこがどこであっても、こここそが世界だと感じる。世界に2人しかいない。完全なる支配下でコントロール下にいるマゾを前にして何でもできるような万能感にも襲われる。穏やかな浮遊感。
そんな快楽を感じられる時がある。